新潟県中越地震被害報告書
平成16 年10 月23 日(土)に小千谷市、川口町付近を震源とする新潟県中越地震が発生し ました。震度7 を記録した川口町や全村避難となった旧山古志村(長岡市と合併)をはじめ、 甚大な被害を被りました。長岡技術科学大学では、実験設備等に被害が生じ、ライフライ ンもストップしたため、一週間授業の出来ない状態となりましたが、施設に甚大な被害は ありませんでした。また、教職員、学生には、一部負傷者(軽傷)がおりましたが、人命に は影響ありませんでした。 長岡技術科学大学では、地元の大学として色々な調査活動にご協力させていただきまし た。(社)土木学会の第二次調査団(家田仁団長)は、長岡技術科学大学環境・建設系を拠 点として調査活動を行い、緊急提言を発表しました。この活動の一環として、年が明けた 平成17 年1 月17 日(月)には、長岡市内において「長岡技術科学大学中越地震調査報告 会―地域再生への提言―」を開催し、地域再生に向けて提言を行いました。また、(社)地 盤工学会、(社)日本都市計画学会、日本雪工学会などの調査活動に参加しました。 環境・建設系独自としても、中越地震調査団(団長:松本昌二、副団長:大塚悟)を発 足させ、調査研究活動を続けてきました。この報告書は、中越地震から約1 年半が経過し た段階で、いままでの調査研究を取り纏めたものです。編纂するにあたり、環境・建設系 だけではなく、機械系、生物系、経営情報系の教員にも参加してもらい、長岡技術科学大 学の報告書といえる内容にしたつもりです。 この報告書は、2部構成としました。第1 部は「地震被害の検証」で、道路、鉄道施設、土構造 物、自然斜面、鉄構造物、下水道施設、河川、農業、雪崩、といった地震被害について述べていま す。すべて環境・建設系の教員が担当しており、災害の特徴、復旧対策、災害の教訓や今後の課題 などを指摘しています。中越地震の被害のすごさをあらためて感じ入ると共に、復旧のめざましさ、 防災対策の必要性を理解していただきたい。 第2部は「地震とコミュニティ」と題して、住民避難、救援物資、避難生活、雪害、経済被害、 復興計画、といった社会経済面を扱っており、環境・建設系、機械系、生物系、経営情報系の教員 が担当しています。被災後のソフト対策、創造的復興に向けた示唆を感じとっていただきたいと思 います。 もとより、この報告書をもって中越地震の調査研究が終わるわけではありません。平成18 年4 月 に発足する「中越防災安全推進機構」の活動の一環として、中越地震の影響や復興について今後も 調査研究を続けてまいります。この報告書が、今後の復興活動や災害対策の資料として、多方面で 活用されることを期待しております。
長岡技術科学大学理事・副学長 丸山久一
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Apr 23, 06 | |